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【不合格体験談】統計検定1級の難易度は?

2023年2月13日

統計検定1級不合格体験談

どうも。こんにちは。
ケミカルエンジニアのこーしです。

本日は、統計検定1級の難易度ついて不合格体験談を交えてお話します。

2022年度の受験では見事不合格で散ってしまいましたが、どのくらいの難易度か身をもって感じましたので、不合格体験談を書いてみました。

私自身、化学工学系のエンジニアで社会人になってから統計学の勉強を始めました。

データサイエンス初心者だけど、これから統計検定1級を受けてみようかなと思う方は参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください!

本記事の内容

・統計検定1級の難易度
・試験結果
・勉強時間
・使った参考書
・受験までの経歴(勉強履歴)
・まとめ

この記事を書いた人

プロフィール231130こーし(@mimikousi)

統計検定1級 難易度

受験データ(受験者数、合格率)

まず、統計検定公式HPの受験データを見てみましょう。

受験データを下図にまとめてみました。

<統計数理>

統計数理合格率

 

<統計応用>

統計応用合格率

統計数理、統計応用の2科目ともに合格率は20%前後ですね。

ここ数年は、受験者数約1,000名で、200名前後が合格するという感じです。

コロナの影響なのか2020年のみ減っていますが、それ以外は年々増加傾向です。

近年、データサイエンスが注目されており、統計学の需要がどんどん増していることがわかりますね。

受験者のレベルはどうなのでしょうか。

 

統計検定1級 出題範囲

公式HPの出題範囲を見てみます。

概略をまとめると下記の通りです。

統計数理

  • 確率の計算
  • 離散型・連続型確率分布
  • 最尤推定
  • 区間推定
  • 仮説検定
  • 分散分析
  • 回帰分析
  • 分割表
  • ノンパラメトリック法
  • 不完全データ
  • シミュレーション
  • ベイズ法

統計応用(共通+理工学)

  • 実験計画法
  • 重回帰分析
  • 多変量解析(主成分分析、因子分析、クラスター分析など)
  • 確率過程
  • 時系列解析
  • 線形モデル
  • 漸近理論
  • 品質管理

出題範囲自体は、統計検定2級や準1級とほぼ同じですが、内容が「数理統計学」の内容となり劇的に難しくなっています。

直面する課題に対して、「理論を適用して正しく答えを導けるか」だけでなく、「理論の中身を正しく理解できているか」についても問われます。

 

ちなみに、統計応用は下記4つの分野から1分野を選択します。

自分の専門分野に近い分野を選択しましょう!

  • 人文科学分野
  • 社会科学分野
  • 理工学分野
  • 医薬生物学分野

 

2022年度の出題内容と略解

2022年度の出題内容は下記の通りでした。

<統計数理>

問題 選択 出題内容
問1 確率の計算(ド・モルガンの法則)
問2   同時累積分布関数、条件付き確率分布の期待値・分散、相関係数
問3 ベイズ法(ガンマ・ポアソン分布)
問4 パレート分布と最尤推定
問5   二元配置分散分析

【公式HP】

出題内容

略解

問1の確率の計算は、過去問では見たことがない新傾向の問題でした。

また、問4のパレート分布は「現代数理統計学の基礎」の演習問題(3章 問11)にありましたが、パラメータの形が異なるので全く気づきませんでした。

代表的な確率分布以外が出題されると混乱してしまいますね。

 

<統計応用>

問題 選択 出題内容
問1 二項分布のポアソン近似
問2   回帰分析
問3   実験計画法、分散分析
問4 モンテカルロシミュレーション
問5 平均への回帰効果

【公式HP】

出題内容

略解

問1は不良品の個数に関連した問題ですが、内容は「統計数理」に近く、比較的取り組みやすい問題でした。

そのほか特段ひねった問題はなかったですが、全体的にやや難しい感じですね。

問5の「平均への回帰効果」は解いてて楽しい良問でしたね。

 

2022年度試験結果

2022年度の私の試験結果は下図の通りです。

2022年度試験結果

・統計数理が「不合格」(不合格者のうち上位20〜40%)

・統計応用は「合格」

統計応用は、最優秀成績賞(S評価)や優秀成績賞(A評価)でもないのでギリギリの合格だと思います。

よって、合格するかしないかのボーダーラインにいる人物です(笑)

2022年度結果

 

統計検定1級 勉強時間(2022年度実績)

統計検定1級対策を始めたのは7月頃でしたので、7月からの累計勉強時間(h)をグラフにしてみました。

7月〜11月までの5ヶ月間で、約160時間ほど勉強しました(月30時間ペース)。

準1級対策では300時間以上勉強していたので、正直準備不足でしたね。

統計検定1級勉強時間

 

使った参考書

使った参考書

参考書は、下記6冊をメインに使いました。

「現代数理統計学の基礎」が思ったよりも難しかったので、「統計学実践ワークブック」の1〜12章を読んだり、「数理統計学(黒木学著)」を読んだりして補足しました。

「現代数理統計学の基礎」と「公式問題集」にもっと時間をかければ良かったです。

 

戦略

当初の戦略としては、下記の4ステップ想定していました。

当初の戦略

●Step1 数理統計学の準備

確率統計キャンパス・ゼミ(改訂7)を通読

●Step2 統計数理対策

現代数理統計学の基礎 を2周通読して、演習問題も解く

●Step3 統計応用対策

統計検定1級 公式テキスト統計学実践ワークブック(準1級対応)の2冊で統計応用の出題範囲を網羅する

●Step4 過去問8年分解く(2〜3周)

統計検定1級・準1級 公式問題集2018〜2019年 

統計検定1級・準1級 公式問題集2016〜2017年 

統計検定1級・準1級 公式問題集2014〜2015年 

統計検定1級・準1級 公式問題集2012〜2013年 

しかし、いざフタを開けてみるとStep1とStep2の難易度に大きな開きがあり、「現代数理統計学の基礎」を2周通読して演習問題を解くことはできませんでした。

また、時間が足りず統計応用対策も間に合わないと思い、「公式テキスト」や「統計学実践ワークブック」を読んでいくのは断念しました。

過去問も8年分解けず、4年分(統計数理2周、統計応用1周)だけになってしまいました。

実行できた学習

●Step1 数理統計学の準備

確率統計キャンパス・ゼミ(改訂7)を通読

統計学実践ワークブック(準1級対応)の1〜12章を1周

数理統計学(黒木学著)の5章、6章のみ1周

●Step2 統計数理対策

現代数理統計学の基礎 を1周(1〜9章)のみ

●Step3 統計応用対策

断念

●Step4 過去問4年分解く(2周)

統計検定1級・準1級 公式問題集2018〜2019年 

統計検定1級・準1級 公式問題集2016〜2017年 

統計数理は2周、統計応用は1周のみ

「現代数理統計学の基礎」を2周した上で、過去問を3周くらいできたら良かったと思いました。

圧倒的に準備不足でしたね。。。

あと、統計応用対策は断念したのに、統計応用だけ合格してたのは本当に謎です。。

 

今後の勉強計画(2023年度)

以上の反省を踏まえて、下記のような勉強計画を立てました。

次は「統計数理」だけなので、数理統計学をもっと深く勉強していきたいと思います。

数理統計学(黒木学著)」と「現代数理統計学」は言葉で丁寧に説明してくれる教科書なので、数理統計学の理解を深めてくれると信じてます。

あとは、過去問をたくさん解くのみですね!

もし時間があれば、noteとかで学習進捗記事を書こうと思います。

 

受験までの経歴(勉強履歴)

経歴

統計学初心者から、いきなり統計検定1級対策を始めた訳ではありません。

そこで、統計検定1級を受験するまでの勉強履歴についても触れておきたいと思います。

 

私自身、大学時代は化学工学を勉強しており、確率や統計学の講義は1回も受けたことありませんでした。

会社の研修で初めて統計学を学び、2020年8月から統計検定2級の勉強を開始しました。

よって、2020年8月〜2022年11月の約2年ほど勉強していたことになります。

その間、統計検定2級、準1級に合格し、線形代数や多変量解析、Pythonについても学習しました。

 

以下、統計検定1級を受験するまでの勉強履歴を記載してみます。

統計検定2級 〜2020年11月合格〜

詳細は下記の合格体験談に書いてますが、2020年8月から4ヶ月間で68時間ほど勉強し合格できました。

データサイエンス初心者の方は、統計学の基本的な教科書を読了し、統計検定2級を受験することをオススメします。

統計検定2級
【初心者向け】統計検定2級の難易度は?【合格体験談】

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統計検定 参考書
【失敗しない】統計検定2級のオススメ参考書(無料あり)

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実務向けの勉強①( Pythonなど)

統計検定2級に合格した後は、実務向けの勉強を始めました。

心理統計学の基礎

検出力やサンプルサイズや統計検定準1級の試験範囲である分散分析、因子分析を学ぶことができました。

良書だったので書評記事を書いています。

心理統計学の基礎2
【書評】心理統計学の基礎 難易度と読み方を解説!

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多変量解析がわかる

実務でよく使う重回帰分析や主成分分析、PLSといった手法を学ぶため多変量解析の勉強を始めました。

簡単そうだったのではじめに本書を読みましたが、とても読みやすく入門者が1冊目に読む本として適切でした。

多変量解析法入門

「多変量解析がわかる」を読んだ後、さらに詳しい教科書として「多変量解析法入門」を読みました。

本書は約6ヶ月間、50時間ほどかけて読了しました。

統計検定2級対策では味わえないほどの計算量に圧倒されました。

また、線形代数の知識が必要であり、この頃ぐらいから数学力不足を実感し始めました。。

 

④Udemy(Python)

Excelでのデータ解析には限界を観じていたので、Pythonを使ったデータ解析に挑戦しました。

これまでプログラミングはほとんど触れたことがなく、どんな作業なのかイメージすら沸かなかったため動画で勉強することにしました。

特に、 Udemyは毎月セールをおこなっており、1500円程度で講座買えてしまうので大変重宝しました。

30日間の返金保証があるのも良いですね!

データサイエンスカテゴリー

プログラミング言語の人気オンラインコース

Udemyのオススメの講座については下記の記事にて解説しています。

【初心者向け】データサイエンスのためのPython学習方法

続きを見る

 

pythonを使えば簡単に解析結果を出すことができ、できることの幅がどんどん増えていくので、とても楽しかったです。

一方で、解析結果に自信が持てないことが多く、統計学の知識に限界を感じました。

そこで、統計検定準1級、1級に挑戦することにしました。

 

統計検定準1級〜2022年2月合格〜

統計検定2級に比べて、統計検定準1級(CBT)はかなり苦戦しました。

2021年6月頃から取りかかり、半年ほどかけて337時間勉強しました。

詳細は下記の合格体験談に書きました。

統計検定準1級 難易度
統計検定準1級(CBT)の難易度を解説!【合格体験談】

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統計検定準1級おすすめ参考書
【失敗しない】統計検定準1級向けのおすすめ参考書

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統計検定準1級対策では、「回帰診断法」、「不完全データの統計処理」、「モデル選択」など実務で使える知識を身につけることができました。

特に、統計検定準1級対応の公式教科書「統計学実践ワークブック」は、170時間ほどかけてじっくり読み込みました。

統計検定1級対策でも使いましたし、未だに参照する良書ですね!

実務向けの勉強②( Pythonなど)

統計検定準1級に合格した後は、実務向けの勉強を再開しました。

①意味がわかる線形代数

意味がわかる線形代数は、多変量解析を学ぶための準備として読みました。

マセマの線形代数キャンパス・ゼミも読みましたが、実務向けでは意味がわかる線形代数の方が良かったですね。

 

②化学のためのPythonによるデータ解析・機械学習入門

実務でソフトセンサーや異常検知に携わっているため本書を読みました。

Pythonコードが豊富にあり、とても参考になりました。

pythonの基礎は学んだけど、具体的にどうやってデータ解析したらよいのか分からない方にオススメですね。

 

③スモールデータ解析と機械学習

Pythonコードも豊富にありながら、理論的な説明もしっかりしており、今のところ一番お気に入りの本かもしれません。

内容

  • 部分的最小二乗法(PLS)
  • 赤池情報量規準(AIC)
  • 入力変数選択(ステップワイズ法、VIP、NCSC)
  • 多変量統計的プロセス管理(MSPC)
  • 異常検知

第1版第1刷なので、Pythonコードに誤植が多いですが、なんとか教科書の内容もPythonで追うことが出来ました。

理論的な説明が興味ある内容ばかりだったので、再読して書評記事書きたいなと思ってます。

 

④エンジニアのための実践データ解析

化学工学会の学会誌で連載していた「ケミカルエンジニアのための統計的品質管理入門」を書籍にしたものです。

ほとんど知っていた内容でしたが、化学プラントにおけるデータ解析そのものを扱っており、解像度高くイメージして読むことができました。

学んだ内容

・正規確率プロット

・確率分布(レイリー、マクスウェル、ガンベル、ワイブルなど)

 

⑤ソフトセンサー入門

ソフトセンサー専門という意味では、唯一の教科書かもしれません。

ソフトセンサーの作成方法が細かく解説されており、実務でとても役に立っています。

化学のためのPythonによるデータ解析・機械学習入門と③スモールデータ解析と機械学習の2冊も組み合わせるとより良いですね。

 

⑥Pythonによる異常検知

この本があれば、pythonで異常検知ができてしまいます。

理論的な部分が少ししかないので、入門機械学習による異常検知で補うつもりです。

 

勉強時間の推移

統計学の勉強を開始した2020年8月から2022年11月までの「勉強時間の推移」をグラフにしました。

資格試験を上手く活用しながら、約2年間継続的に勉強することができました。

統計検定1級対策をはじめる前に、合計650時間ほど勉強してきたことになります。

統計学勉強時間2

 

ちなみに、統計検定1級対策の約160時間を合わせると、累計勉強時間は800時間超となります。

2023年度中には1000時間勉強に到達したいなと思います!

自信と責任をもって実務で統計学をバリバリ使っていきたいです!!

統計学累計勉強時間

 

まとめ

まとめ

  • 統計検定1級の合格率は20%前後
  • 出題範囲は統計検定2級、準1級とほとんど同じだが、内容は数理統計学となる
  • 7月から5ヶ月間で約160時間勉強したが、「統計応用」のみ合格(泣)
  • 統計検定1級対策を始めるまでに、python学習含めて650時間ほど勉強していた
  • 来年度には1000時間勉強に到達し、統計検定1級取得後、実務で統計学をバリバリ使っていきたい!

 

  • この記事を書いた人
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こーし

■ケミカルエンジニア
■化学メーカー勤務
■現場配属の生産技術
■化学工学技士、統計検定1級など
■化学工学 × データサイエンス
pythonと数理統計学を勉強中!

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