広告 キャリア・資格 統計検定

【失敗しない】統計検定準1級向けのおすすめ参考書

2022年2月27日

統計検定準1級おすすめ参考書

どうも。こんにちは。
ケミカルエンジニアのこーしです。

本日は、統計検定準1級向けのおすすめ参考書についてお話していきます。

統計検定準1級合格に向け、半年以上勉強し、10冊以上の参考書を読み比べました。

これらの経験を踏まえ、おすすめの参考書を紹介したいと思います!

 

また私自身、社会人になるまで統計学は勉強しておらず、約1年前は初心者でした。

よって、ゼロから独学で勉強している方にも参考になると思います!

 

効率的な勉強法や勉強時間の目安、出題傾向については下記記事で詳しく解説しています↓↓

統計検定準1級 難易度
統計検定準1級(CBT)の難易度を解説!【合格体験談】

続きを見る

本記事の内容

・統計検定準1級向けのおすすめ参考書
・分野別のおすすめ参考書

この記事を書いた人

プロフィール231130

こーし(@mimikousi)

統計検定準1級向けのおすすめ参考書

結論、下記5冊がおすすめです。

(1)統計学実践ワークブックと(2)統計検定準1級公式問題集の2冊をメインに勉強しました。

(3)〜(5)の3冊は、「統計学実践ワークブック」の理解を深めるための参考書です。

統計検定2級までは、線形代数の知識がなくても合格できましたが、準1級では線形代数の理解が重要になってきます。

よって、数学力を鍛えておくためにも、意味がわかる線形代数をピックアップしました。

 

それでは、各参考書のおすすめポイントを具体的に解説していきます。

 

統計学実践ワークブック

統計学実践ワークブックは、統計検定を主催する「日本統計学会」の公式認定テキスト(準1級向け)です。

よって、本書の内容が理解できていれば、確実に合格することができます。

私も本書をメインに勉強し、170時間以上かけて2〜3周しました。

最初は難しいと感じるかもしれませんが、根気よく読んでいきましょう!

おすすめの読み方

  1. 理解できるところまで読んでみる。
  2. 理解できないところがあれば、紙やノートに書いて数式を追ってみる。
  3. 数式展開で理解できないところがあれば、ネットでググる。
  4. つまずいたところに付箋を貼っておく。
  5. 過去問を解いてからもう一度読み直す。
過去問や例題を解いてから読み直すと理解が進みやすいと思います!
こーし

 

また、ワークブックの内容と公式問題集(過去問)の出題傾向を下表にまとめました。

重点的に勉強すべき項目がわかりやすくなったと思います。

※過去問の○印はワークブックの例題にも引用されている問題です。

タイトル 準1級過去問 出題ポイント
事象と確率

2015年問1○
2016年問2○
2016年問10
2018年問1○
2021年問1

ベイズの定理
期待値・分散
ベイズの定理
ベイズの定理
条件付き確率

確率分布と母関数    
分布の特性値

2015年問9
2016年問1○
2017年問1○
2017年問4○
2021年問12

条件付き期待値
変動係数
平均
分散の性質
相関係数

変数変換    
離散型分布

2017年問2○
2017年問10○
2018年問2○
2019年問1○
2019年問2○

二項分布
超幾何分布・分割表
二項分布
ポアソン分布
幾何分布

連続型分布と標本分布

2015年問4○
2015年問8○
2016年問8○
2017年問5
2018年問6○
2021年問3

正規分布
条件付き期待値
生存関数・指数分布
2変量正規分布
混合正規分布
3変量正規分布

極限定理、漸近理論    
統計的推定の基礎 2021年問22 最尤推定量
区間推定

2015年問3○
2017年問6

サンプルサイズ
多項分布

10 検定の基礎と検定法の導出

2015年問2○
2016年問4○
2016年問5○
2019年問3
2021年問8

二項分布・検定
分散の区間推定
比率の検定、検定力
検定力、母比率の検定
サンプルサイズ

11 正規分布に関する検定 2015年問7○ 平均値検定
12 一般の分布に関する検定法

2016年問3○
2016論述1○
2018年問4○

適合度検定
適合度検定
母比率の差の検定

13 ノンパラメトリック法 2018年問5○ 順位和検定
14 マルコフ連鎖

2015論述1
2016年問11○
2017年問11○
2019年問11

推移確率行列
定常分布
定常分布
マルコフ連鎖

15 確率過程の基礎

2017論述2
2019年問9○
2021論述1

ポアソン過程
モーメント法
マルチンゲール

16 重回帰分析

2015年問15
2015論述2
2016論述2
2017年問3
2018年問10
2019年問8
2021問4
2021年問5

自由度調整済み決定係数
AIC
AIC
正則化、CV
正則化
Fused Lasso
不偏推定量
決定係数

17 回帰診断法 2017年問14 回帰診断法
18 質的回帰 2019年問10 ロジスティック回帰
19 回帰分析その他 2018論述2○ トービットモデル
20 分散分析と実験計画法

2015年問11
2016年問7○
2016年問9
2017年問7
2017論述3
2018論述3
2019論述1

直交表
実験計画
2元配置分散分析
ブロック因子
直交表
乱塊法
検定の多重性

21 標本調査法

2015年問5○
2016年問13○
2017年問9○

集落抽出法
ネイマン配分法
非復元抽出

22 主成分分析

2015問16
2017論述1
2019年問6
2021年問11

主成分得点
AIC
相関行列、AIC
自己符号化器

23 判別分析

2016年問14
2018年問3
2019論述3
2021年問6

SVM、CV
SVM
SVM
正準判別分析

24 クラスター分析

2017年問13
2018年問7

最近隣法、k-means
ウォード法

25 因子分析・グラフティカルモデル

2016論述3
2018年問11
2018論述1
2019論述2
2021年問9

グラフティカルモデル
バリマックス回転
構造方程式
グラフティカルモデル
逆転項目

26 その他の多変量解析手法    
27 時系列解析

2015年問10○
2016年問6
2017年問8
2018年問8
2018年問12
2019年問12
2021年問10

DW比
DW比
コレログラム、DW比
自己回帰過程(AR)
コレログラム
共分散定常の条件
自己相関係数

28 分割表

2015年問12
2015論述3
2018年問9
2019年問4
2019年問5○

オッズ比の信頼区間
オッズ比
適合度検定
カイ二乗検定
オッズ比

29 不完全データの統計処理

2015年問6○
2016年問12
2021論述3

MAR
EMアルゴリズム
補完法

30 モデル選択 2021年問7 AIC、BIC、CV
31 ベイズ法

2015年問13
2018年問13○
2019年問7
2021論述2

ベータ分布
MHアルゴリズム
共役事前分布
共役事前分布

32 シミュレーション

2015年問14○
2017年問12

モンテカルロ法
ブーストラップ

 

統計検定準1級公式問題集

資格勉強のコツは、過去問を繰り返し解くことです。

よって、公式問題集(過去問)も2〜3周しましょう!

6年分(全試験)の過去問が載っているので、これ1冊で十分だと思います。

従来のPBT試験で出題されていた論述問題も載っていますが、CBT方式では出題されないので後回しで良いですね。

 

統計学入門(通称:赤本)

巷で有名な赤本こと「統計学入門」です。

ワークブックの数理統計(1〜13章あたり)の解説が難し過ぎたので、本書に救いを求めました。

「統計学入門」の特徴は下記の通りです。

  • 確率、確率変数、確率分布の解説が詳しい。
  • モーメント母関数の解説がわかりやすい。
  • 中心極限定理の解説が詳しくてわかりやすい。

本書を通読した一番の効果は、「肝が据わった」ことですね。

赤本を読んだのだから、あとはワークブックを読みこなすだけと良い意味で覚悟ができました。

ちなみに、「統計学入門(赤本)」の書評記事も書いているので、興味があれば読んでみて下さい。

【書評】「統計学入門」(東京大学出版会)

続きを見る

 

データ解析のための統計モデリング入門(通称:緑本)

これもまた、巷で有名な緑本こと「データ解析のための統計モデリング入門」です。

ワークブックの「31章ベイズ法」が全然理解できなかったため、本書に救いを求めました。

はっきり言って、だいぶ救われました(笑)

本書で学べる内容は、下記の通りです。

  • 第12章 一般の分布に関する検定法
    ⇒尤度比検定
  • 第18章 質的回帰
    ⇒一般化線形モデル(GLM)
  • 第30章 モデル選択
    ⇒赤池情報量規準(AIC)
  • 第31章 ベイズ法
    ⇒ベイズモデル
    ⇒MCMC法

一般化線形モデルも怖くなくなり、情報量規準に至っては実務で使いこなせるほど理解が進みました。

もちろん、ベイズ法の問題も出題されたらラッキーくらいに得意になりました。

こーし
本番でもガンマ・ポアソンモデルが出題されましたが、速攻で解けました!

 

良書すぎたので、書評記事を書いています↓↓

データ解析のための統計モデリング入門
【書評】データ解析のための統計モデリング入門(緑本)

続きを見る

 

意味がわかる線形代数

ワークブックの16章 重回帰分析22章 主成分分析では、線形代数の知識が不可欠です。

特に、主成分分析では線形代数が理解できてないと、まったく読みこなせないと思います。

 

数ある参考書のなかでも、「意味がわかる線形代数」は、工学での応用(多変量解析、線型計画法、信号理論、画像処理など)を見据えた構成になっています。

「第5章 対角化の意味」は、重点的にじっくり読むことをおすすめします!

コラムにて主成分分析について解説してますが、2〜3回読んだら「なんだこんなことか」とスッキリ理解することができました。

 

また、線形代数の定番教科書といえば下記3冊ですが、準1級向けであればそこまでガッツリ勉強しなくても大丈夫ですね。

意味がわかる線形代数でさくっと復習しましょう!

 

分野別のおすすめ参考書

基本的には、上述のおすすめ5冊をしっかりやれば合格できると思います。

しかし、もっとわかりやすい参考書が知りたい方や深掘りして勉強したい方に向けて、分野別のおすすめ参考書を紹介します。

統計検定準1級の出題範囲を下記のように分類してみました。

統計検定準1級出題範囲(大別)

  • 数学の基礎
  • 数理統計学
  • 多変量解析
  • 時系列解析
  • ベイズ統計学

 

数学の基礎

大学の基礎数学くらいは理解しておかないと、統計学をきちんと理解することは難しいです。

下記3冊なら、短時間で復習できるのでおすすめです。

また、「統計学のための数学入門30講」も、微分積分、線形代数のポイントがまとまっているのでおすすめです。

数学と統計学のつながりが見えてきます。

公式もまとまっているので、手元に置いておくと安心ですね。

ただ、一から解説するような教科書ではないので、キャンパス・ゼミシリーズを読んだ後に挑戦すると良いと思います。

 

数理統計学

数理統計学は、最初に立ち塞がる大きな壁ですね。

私も何度もくじけそうになりました。

ワークブックを読んで理解できなかった方は、下記3冊に挑戦してみてください。

「確率統計キャンパス・ゼミ(改訂7)」は、式展開が超丁寧です。

下記項目に不安がある方は、ワークブックに挑戦する前に読んでおくことをオススメします。

  • 確率
  • ベイズの定理
  • 確率分布
  • モーメント母関数

「入門統計解析」は、「統計学入門 通称:赤本」を簡単にしたような内容ですので、赤本でも難しいと感じた方は手に取ってみて下さい。

 

多変量解析

ワークブックの16〜19章、22〜26章は、多変量解析の内容になります。

多変量解析の参考書としては、下記3冊を参考にしました。

多変量解析がわかるで概要をつかみ、「多変量解析法入門」で数式の展開を詳しく学びました。

最初は行列やベクトルの式展開に苦手意識がありましたが、1〜5章を繰り返し読むことで理解できるようになりました。

練習問題もしっかりやると理解が進むのでおすすめです(特に3章)。

ただ、多変量解析法入門は数式展開が細かい分、サッと見直すには不適でした。

 

一方、「多変量解析入門」は、数式展開がほとんど無いですが、スッキリまとまっていて非常にわかりやすいです。

よって、1⇒2⇒3の順番に読むことをオススメします。

 

時系列解析

時系列解析は必ずと言っていいほど出題されますが、時系列解析の分野の中で、準1級の試験範囲は非常に狭いようです。

つまり、簡単な内容しか出題されません

時系列解析を学ぶために下記4冊購入しましたが、「入門はじめての時系列分析」の内容で十分でした。

簡単な入門書を読んだら、あとはワークブックを繰り返し読んで理解しましょう!

実務で時系列解析が必要になる方は、沖本本か北川先生の「時系列モデリング入門」は読了する必要があると思います。

 

ベイズ統計学

ベイズ統計学のおすすめ参考書は下記の3冊です。

私は緑本を読んだら、自信をもって問題が解けるようになりました。

緑本でもいまいち理解出来ない場合は、「マンガでわかるベイズ統計学」がオススメです。

非常に丁寧に解説してくれている良書です。

マンガとはいえ、内容は本格的なので覚悟して読んだ方が良いです(笑)

 

最後に

統計検定準1級に合格しましたが、まだまだ理解不足なので、引き続き勉強していきます。

もっとオススメの参考書が見つかったら、追記していきたいと思います。

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

こーし

■ケミカルエンジニア
■化学メーカー勤務
■現場配属の生産技術
■化学工学技士、統計検定1級など
■化学工学 × データサイエンス
pythonと数理統計学を勉強中!

-キャリア・資格, 統計検定