どうも。こんにちは。
ケミカルエンジニアのこーしです。
本日は、統計検定準1級の難易度と勉強時間の目安、おすすめ参考書についてお話していきます。
この記事を読むことで、準1級合格に向けてどのように勉強すべきかがわかります。
私自身、会社の研修で初めて統計学に触れ、約1年前に統計検定2級に合格しました。
その後、コツコツと準1級の勉強を進めて、2022年2月に無事合格できました。
約1年前は、まったくの初心者だった私でも合格できましたので、多くの方の参考になると思います!
本記事の内容
・統計検定準1級の難易度
・勉強時間の目安
・使った参考書・問題集
・効率的な勉強法
・統計検定準1級の出題傾向
この記事を書いた人
こーし(@mimikousi)
目次
統計検定準1級(CBT)の概要
統計検定準1級は、「統計学の活用力 ー実社会の課題に対する適切な手法の活用力」を問う資格試験です。
試験時間は90分で、25〜30問出題されます。(大問は21問でした)
出題範囲はコチラ
受験費用:8,000円(学割 6,000円)
2021年7月27日から、統計検定準1級はCBT(Computer Based Testing)方式で、いつでも受験できるようになりました。
CBT方式でも、従来の紙媒体(PBT)の試験と同等の資格が認定されます。
CBT方式の受験方法がわからない方はこちらの記事を参考にしてみてください。
-
統計検定(CBT方式)の受験方法【出題傾向も解説!】
続きを見る
統計検定準1級(CBT)の難易度
統計検定準1級(CBT)の難易度についてまとめました。
準1級難易度のまとめ
- 統計検定2級に比べて、数倍難しい(勉強時間にして約5倍)。
- 従来のPBT方式(過去問)とCBT方式で、難易度はそこまで変わらない。
- しかし、難易度の高い論述問題がない分、全体としてはCBTの方が簡単。
- 統計学実践ワークブックをしっかりやれば合格できる。
合格率推移(CBT方式を除く)
引用 統計検定準1級公式問題集
2015〜2021年の6年間の合格率は、20〜30%で推移しています。
統計検定2級の半分くらいの合格率なので、難関資格と言えそうです。(統計検定2級の合格率は、40〜50%)
統計検定準1級は、2015年から始まった試験で、そこまで歴史は長くないです。
2019年度までは順調に受験者数が伸びていましたが、コロナ禍で2020年度の試験が中止となり、2021年度も受験者が減ってしまいました。
しかし、2021年度からはCBT方式が始まり、受験者はこれから増えていくのではないかと思います。
勉強時間の目安
- 必要勉強時間(目安) : 300時間(初学者向け)
- 一日の勉強時間(目安) : 平日1時間、休日3〜4時間(週12時間)
- オススメ勉強開始時期 : 試験6ヶ月前(CBTなので試験日は自分で決定)
実体験を元に、勉強時間の目安とおすすめの勉強開始時期をまとめてみました。
一日の勉強時間は、集中力が続く無理のない範囲にしておきました。
参考までに、統計検定準1級の勉強を始める前の私の知識を下記にまとめました。
前提知識
- 統計検定2級(CBT)合格(68点)
- マセマの線形代数キャンパスゼミ(改訂9版)読了
- 心理統計学の基礎読了
- 多変量解析法入門読了
統計検定2級の合格体験談はこちら↓
-
【初心者向け】統計検定2級の難易度は?【合格体験談】
続きを見る
合格体験談(2022年2月CBT:202107版)
試験結果
2022年2月にCBT方式で統計検定準1級を受験し、見事合格しました!
結果は、下図の通りです。
100点満点中88点(合格基準60%)と余裕をもって合格することができました。
統計検定2級を受験したときは、時間が足りず5問くらい飛ばしたので、今回は過去問を3周解き、しっかり準備して臨みました。
時間は30分以上余ったので、自信の無い問題に戻り、じっくり解き直すことができました。
使った参考書・問題集
使用した参考書・問題集は、下記の8冊です。
ポイント
おすすめの参考書については別記事で詳しく解説しています↓↓
-
【失敗しない】統計検定準1級向けのおすすめ参考書
続きを見る
それぞれの教科書をどのように使ったか、簡単に解説します。
とにかく、この本を勉強すれば間違いないです!
1周では理解できないと思うので、2〜3周やりましょう。
章によっては解説が難しいので、代替となる教科書を探しましたが、結局ワークブックを根気よくやるのが最短ルートだと思います。
(2)統計検定準1級公式問題集
過去問題集ですね。
6年分の過去問が掲載されているので、これ1冊で十分な対策ができると思います。
これも3周くらいやりましょう!
ワークブックの1〜13章の補強としてこの教科書も勉強しました。
伝統的な教科書なので、通読すると妙な自信が湧いてきます。
書評も書いてますので、興味があればぜひ覗いてみて下さい↓↓
-
【書評】「統計学入門」(東京大学出版会)
続きを見る
統計検定準1級の出題範囲に近く、ワークブックの代替になるかもしれないと思い、手を出してみましたが、ワークブックと同様に解説が難しかったため、諦めてワークブック1本に絞りました。
ワークブックの「31章ベイズ法」が難しすぎたので、評判が良かった「緑本」を読みました。
緑本の解説はとてもわかりやすく、ベイズ法だけでなく、情報量規準(AIC)や一般化線形モデルの理解も深まりました。
ワークブックで「31章ベイズ法」が理解できなかった方は、ぜひ挑戦してみてください。
本当にオススメの教科書です。書評はこちら↓↓
-
【書評】データ解析のための統計モデリング入門(緑本)
続きを見る
(6)松原望の確率過程超!入門
確率過程の理解のために読みましたが、半分以上が統計学の基礎的な部分の解説でした。
統計学入門(基礎統計学Ⅰ)※通称:赤本を読む前に読むと、赤本の理解が進みやすいと思います。
(7)意味がわかる線形代数
重回帰分析や主成分分析では、(簡単な)線形代数をフルに使います。
特に主成分分析では、線形代数がわからないと意味不明になるので、線形代数もしっかり勉強しておきましょう!
学び直しでは、マセマのキャンパスゼミシリーズよりも「意味がわかる線形代数」がオススメです。
(8)現代数理統計学の基礎
ワークブックを読んでわからなかったところを理解するために、辞書的に使いました。
統計検定1級(統計数理)向けの教科書なので、準1級向けでは本腰を入れて勉強する必要はないと思います。
勉強時間(実績)
使用した教科書 | 勉強時間 (時間) |
170.5 | |
(2)統計検定準1級公式問題集 |
95.5 |
30 | |
6.5 | |
19 | |
(6)松原望の確率過程超!入門 |
8 |
(7)意味がわかる線形代数 |
4.5 |
(8)現代数理統計学の基礎 | 3 |
計 | 337 |
合計で337時間勉強しました。
統計検定2級は1〜2ヶ月の勉強(68時間)で合格できたので、準1級は3、4ヶ月(150時間くらい?)勉強したら十分だろうと考えていましたが、そんなに甘くありませんでした。
他の方のブログを見ても、マルチンゲール(@industrial_ds)さんは、4ヶ月で250時間勉強していますし、えびてんさんは3ヶ月で300時間勉強しています。
何ヶ月勉強するかというより、何時間勉強するかの方が精度が高そうですね!
【参考記事】
【受験体験記】統計検定準1級~PBT試験に落ちて、CBT試験に合格した話~(マルチンゲールさん)
[2021年度版]統計検定準1級の合格者が参考書、勉強法を徹底解説!(えびてんさん)
効率的な勉強方法
資格勉強のコツは、過去問を繰り返し解くことです。
良質な教科書1冊と過去問題集1冊を繰り返し解きましょう!
統計検定準1級では、下記2冊を繰り返し解くことをオススメします。
(2)統計検定準1級公式問題集
効率的な勉強方法
- 統計学実践ワークブックを1周通読する
- 公式問題集(過去問)を6年分1周解く
- 公式問題集(過去問)をワークブックの章ごと(※後述)にもう1周解く(2周目)
- 統計学実践ワークブックをもう1周通読する(2周目)
- 公式問題集(過去問)の2周目で間違ったところのみ解く(3周目)
- 試験日を決める(CBT方式)
- 苦手分野を抽出しつつ、統計学実践ワークブックを隅々まで読む(3周目)
ここまでやれば、かなりの高確率で合格できます。
というか、高得点が狙えるレベルになると思います。
公式問題集(過去問)を2周してから、ワークブックを再び読むと、頭にスッと入ってくる感じがしました。
ワークブックが難しいからといって、過去問を解かずにいると理解が進まないかもしれません。
よって、過去問を解いてからワークブックの2周目に進むことをオススメします。
あと注意したいのは、ワークブックの内容で過去問に1回も出てなくても、CBTで出題されることはあるということです。
過去問やワークブックの例題以外からも出題されるという意識でワークブックを読んでいきましょう!
また、従来のPBT試験で出題されていた「論述問題」は、CBTでは出題されません。
難しいので勉強にはなりますが、統計検定準1級の合格を目指すだけであれば飛ばしても問題ないと思います。
注意ポイント
いつでも受験できるCBT方式では、ダラダラといつまでも受験を先延ばしにしてしまう可能性があります。
そこで、先に試験日を決めることをオススメします。
締め切り(試験日)があると、かなりインセンティブが働きますね!
統計検定準1級の出題傾向
統計学実践ワークブックの構成をベースに、過去問(6年分)の出題傾向をまとめました。
下表を参考にすれば、出題傾向がつかめると思います。
また、章ごとの理解度を確認したり、補強したいときに役立つと思います。
準1級は出題範囲が広いので、年度毎に過去問を解いてると自分の理解度がよくわからなくなります(私がそうでした)
よって、上述の効率的な勉強法の3.では下表を上手く活用して過去問を解いてみて下さい!
章 | 統計学実践ワークブック | 準1級公式問題集(過去問) ※○印はワークブックの例題にも引用 |
1 | 事象と確率 |
2015年問1○ |
2 | 確率分布と母関数 | |
3 | 分布の特性値 |
2015年問9 |
4 | 変数変換 | |
5 | 離散型分布 |
2017年問2○ |
6 | 連続型分布と標本分布 |
2015年問4○ |
7 | 極限定理、漸近理論 | |
8 | 統計的推定の基礎 | 2021年問2 |
9 | 区間推定 |
2015年問3○ |
10 | 検定の基礎と検定法の導出 |
2015年問2○ |
11 | 正規分布に関する検定 | 2015年問7○ |
12 | 一般の分布に関する検定法 |
2016年問3○ |
13 | ノンパラメトリック法 | 2018年問5○ |
14 | マルコフ連鎖 |
2015論述1 |
15 | 確率過程の基礎 |
2017論述2 |
16 | 重回帰分析 |
2015年問15 |
17 | 回帰診断法 | 2017年問14 |
18 | 質的回帰 | 2019年問10 |
19 | 回帰分析その他 | 2018論述2○ |
20 | 分散分析と実験計画法 |
2015年問11 |
21 | 標本調査法 |
2015年問5○ |
22 | 主成分分析 |
2015問16 |
23 | 判別分析 |
2016年問14 |
24 | クラスター分析 |
2017年問13 |
25 | 因子分析・グラフティカルモデル |
2016論述3 |
26 | その他の多変量解析手法 | |
27 | 時系列解析 |
2015年問10○ |
28 | 分割表 |
2015年問12 |
29 | 不完全データの統計処理 |
2015年問6○ |
30 | モデル選択 | 2021年問7 |
31 | ベイズ法 |
2015年問13 |
32 | シミュレーション |
2015年問14○ |
その他の合格体験談
参考にさせてもらった合格体験談を紹介します。
【受験体験記】統計検定準1級~PBT試験に落ちて、CBT試験に合格した話~
[2021年度版]統計検定準1級の合格者が参考書、勉強法を徹底解説!
最後に
統計学は、勉強すればするほどもっと勉強すべきことが見つかる感じです。。
今後も統計学の勉強を継続し、統計検定1級の取得を目指したいと思います!
これから統計検定を受験される方は一緒に頑張りましょう!
【追記(2024/6/5)】
統計検定1級は、2回目の挑戦で無事合格することができました。
不合格体験談と合格体験談も書いたので、ぜひ読んでみてください!
-
【不合格体験談】統計検定1級の難易度は?
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-
【合格体験談】統計検定1級の勉強方法
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-
【読み比べ】統計検定1級のおすすめ参考書
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