どうも。こんにちは。
ケミカルエンジニアのこーしです。
本日は、「統計学のための数学おすすめ参考書」について解説します。
統計学を身につけるために「数学力」は欠かせません。
しかし、どのくらい数学を勉強したら良いのかわかりにくいと思います。
私自身、統計学の初心者からコツコツ3年半くらい勉強し、統計検定1級まで取得することができました。
この実体験を踏まえて、どのくらい数学を勉強すべきかについても解説していきます。
この記事を書いた人
こーし(@mimikousi)
目次
統計学に必要な数学3科目
統計学に"最低限"必要な数学の3科目は下記の通りです。
最低限必要な数学3科目
①微分積分
②線形代数
③確率統計
統計学の教科書で最初に説明される「確率分布」では、微分積分を多用します。
ただ、微分積分はイメージがしやすいので、つまずいて理解できないことは少ないと思います。
(ガウス積分なんかは、存在すら知らないと厳しいモノがありますが。。)
線形代数は、重回帰分析や判別分析などの「多変量解析」で当たり前のように使われます。
イメージがしづらく、線形代数特有の公式も多々あるため、初学者が最もつまずくところかと思います。
よって、線形代数はしっかり勉強しておくことをオススメします。
確率統計は、統計学の教科書で必ず解説されますが、ざっと説明しているだけなので、確率統計専門の参考書や教科書を持っておくべきだと思います。
微分積分・線形代数・確率統計が、統計学のどの分野でよく使われるのかを下表にまとめてみました。
数学 | 統計学 |
微分積分 | 数理統計学(確率分布) |
線形代数 | 多変量解析 |
確率統計 | 数理統計学(確率分布) ベイズ統計学 |
上表はあくまで目安であり、本来は明確に分けることはできません。
微分積分、線形代数、確率統計の3科目は、統計学において絡み合って応用されています。
統計学も数学の1科目だという意見もあると思いますが、本記事では統計学と数学は区別して考えています。
統計学に必要な数学レベルとは
では次に、どのくらいの数学レベルが必要なのかを下表にまとめてみました。
わかりやすいように統計検定のレベルで分けています。
統計学のレベル | 数学レベル | 参考書のレベル |
統計検定2級 | ほぼ必要なし 高校数学レベルに毛が生えたくらい |
微分積分キャンパス・ゼミ 線形代数キャンパス・ゼミ 確率統計キャンパス・ゼミ |
統計検定準1級 | そこそこ必要 大学教養課程レベル |
意味がわかる線形代数 プログラミングのための確率統計 |
統計検定1級 | 必要 大学教養課程レベル |
統計学のための数学入門30講 明解演習 数理統計 |
実務(データ解析) | あればあるだけ良い | 微分積分学(笠原皓司著) 線型代数学(新装版)(佐武一郎著) 齋藤正彦 線型代数学 |
正直、「統計検定2級」レベルでは大した数学力は必要ありませんでした。
しかし、その後、数理統計学、多変量解析、ベイズ統計学と勉強を進めていく上で、数学の必要性を痛感しました。
式の展開を追っていると、当たり前のように数学の定理が出てきますが、ほとんどの統計学の教科書は「数学の定理」の説明はしてくれません。
よって、数学の知識が無いと「どうしてこの数式になるのか?」とつまずき、挫折する原因にもなります。
少なくとも「統計検定準1級」に挑戦する際は、「線形代数」をしっかり勉強しておきましょう。
数学参考書オススメ3冊(最短ルート)
現時点で私が考える最短ルートは下記の3冊です!
数学参考書オススメ3冊
ある程度大学で数学を勉強していた方(自信のある方)には「③統計学のための数学入門30講」をオススメします。
統計学に必要な数学が最短で復習できます。
統計学に使う「微分積分」と「線形代数」はこの本でだいたい網羅できます。
しかし、初学者向けの解説ではないため、基礎から勉強したい方は「①微分積分キャンパス・ゼミ」と「②意味がわかる線形代数」も読む必要があると思います。
マセマの「線形代数キャンパス・ゼミ」もわかりやすくて良書ですが、両方読んでみて「②意味がわかる線形代数」の方が学び直しに良いと思いました。
また、「②意味がわかる線形代数」は統計学(主成分分析)を意識して解説してくれているのも良いと思いました。
以上、最短ルートのオススメ3冊について解説しましたが、次は科目別にオススメの参考書・教科書を紹介します!
①微分積分のオススメ参考書
微分積分のオススメ参考書
初学者は、マセマのキャンパス・ゼミシリーズで十分です!
わからない数式や解法がでてきたら、ネットで検索すれば解説記事が出てきます。(後述の「高校数学の美しい物語」など)
勉強していく上で、もの足りないなと思ったら、②微分積分学(笠原皓司著)でじっくり復習しましょう。
②線形代数のオススメ参考書
線形代数のオススメ参考書
特に、初学者がつまずきやすいのは、「線形代数」だと思います。
微分積分は、なんとかイメージできるけども「線形代数」は全くわからない!という人も多いのではないでしょうか。
私自身も「線形代数」は苦手でして、参考書を片っ端から購入し、自分に合うモノを探していました(汗)
統計学を学ぶ上では、①意味がわかる線形代数1冊をこなせば十分だと思います。
「もっとしっかり学びたいんだ!」と思う方は、②線型代数学(新装版)(佐武一郎著)か③齋藤正彦 線型代数学を購入しましょう。
両書とも名著ですので、自分に合う方を選んで下さい。(私はよくわからなかったので両方買いました。)
③確率統計のオススメ参考書
確率統計のオススメ参考書
①確率統計キャンパス・ゼミはとてもわかりやすいので、オススメです。
統計検定2級に合格したら手に取ってみると良いと思います。
「確率統計キャンパス・ゼミ」が簡単過ぎると思った方は、②プログラミングのための確率統計がオススメです。
「主成分分析」や「確率過程」、「情報理論(エントロピー)」などの応用についても解説されています。
演習書としては、③明解演習 数理統計で理解が深まります。
統計検定準1級レベルでは不要です。(理解できると良いが、理解してなくても合格できる)
よって、統計検定1級向けの演習書になります。
無料で学ぶには?
書籍でガッツリと勉強すると、統計学を学ぶ前に数学だけで何ヶ月も費やしてしまいます。
よって、初学者(統計検定2級レベル)は、YouTubeやブログ記事などでさらっと復習するのもアリです。
予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」(ヨビノリ)
②解析学
④確率統計
オープンコースウェア(OCW)筑波大学
筑波大学 照井先生
①微積分Ⅰ
②微積分Ⅱ
高校数学の美しい物語(ブログ)
1記事ずつ読んでいくというよりは、知りたい内容を検索する使い方が良いと思います。
宇宙に入ったカマキリ(ブログ)
「宇宙に入ったカマキリ」を運営するカマキリ(@t_kun_kamakiri)さんは、ココナラで物理の解説をやっており、相当実力のあるお方です。
こちらのブログは、1つずつ順番に記事を読んでいくスタイルをオススメします。
以上、無料の教材を紹介しました。
YouTubeやブログは、ハードルが低くてわかりやすい反面、情報量が足りない場合があります。
よって、YouTubeやブログでさっと学習した後は、教科書でしっかり学ぶ必要がありますね。
まとめ
まとめ
- 統計学に必要な数学は「微分積分・線形代数、確率統計」
- 統計検定2級レベルでは、腰を据えて勉強する必要はない
- 統計検定準1級以上、または実務でデータ解析をしたい方はしっかり勉強すべき!
- 特に「線形代数」でつまずきやすい
- 最初は、YouTubeやブログで軽く勉強してみるのもアリ!